人に尽くす気持ち
看護師の仕事をする上で必要な性格のひとつに「人に尽くすのが苦にならない」というものがあります。昔から人の世話をするのが好きだという人は看護師に向いているといえます。
看護師の仕事は時給には換算できないくらい辛いことがあったりハードな仕事内容であったりと悩みが尽きないものです。それでも人の役に立っているという気持ちを持って、いやな仕事も率先してやるくらいの心構えがあれば、立派な看護師になれるでしょう。これだけのことをすればこれだけ利益が上がるといった商売ではありません。そういう意味で、看護師の仕事はお金に換算できないものなのです。もし自分の行動が利害関係を元にしているならば、看護師の仕事にはすぐに嫌気がさすでしょう。
看護師の仕事はマニュアルにはできないくらい多岐に渡ります。工場のライン工などであればマニュアルを手元におきながらやれば誰でもこなすことはできるでしょう。しかし、看護師という仕事は常に「人対人」です。そのような場面ではマニュアル的な対応は逆効果になってしまいます。今、その人は何を必要としているのか、どういった対応をするのがベストなのか、そういったことを即座に考え行動に移すことができる人でなければなかなか看護師の仕事は勤まらないでしょう。
看護師という仕事はよく滅私奉公という言葉で形容されます。まさに言葉の通り、自分を殺して、他人のために尽くすという意味です。そのことが看護師としての重要な資質になります。人のためにしてあげたいと思う感情に理由はありません。困っている人がいたらすぐに手を差し伸べる、そういったことが自然とできる人であれば、看護師に大いに向いているでしょう。
ただし、気をつけなければならないのは、何でもかんでも患者様のためにやればいいというわけではないということです。何でも手取り足取りやってあげることが、必ずしも患者様のためになるわけではないのです。そんなことをすれば、高齢の患者様などはすぐに自分では何もできないような状態になってしまいます。また、看護師を自分の召使いかのように勘違いしてしまう患者様も出てきます。そうではなくて、あくまでも看護師の仕事は患者様の病を治す手助けをし、一日でも早く日常の生活に戻れるようにしてあげることなのです。ときにはやらないという選択肢も重要になるのだということを覚えておいてください。
看護師の多くは人の役に立つことに大きなやりがいを感じています。本当に患者様のことを思って、患者様に尽くせる人が看護師に向いていると言えます。