働き続ける理由

数え切れないほど多くの職業・職種の中で、人の生死に関わる仕事である医療業務は特殊な業務のひとつです。

看護師業務は正に直接に人の生死に接する仕事ですが、中には晴れて看護師にはなったけれど、人の死を見つめなければならない現実がいやになって辞めてしまうことも少なくないと聞きます。その一方で、身内に重病者がいることから、医療の道を志して看護師になったという話もよく聞きます。

一般に看護師の業務は過酷です。給料は高いけれどその労働の過酷さから決して高くはないと思っている看護師自身の声も多いのに、辞めずに働き続けている理由は、看護師業務に特有の「やりがい」があるからと言います。

どのようなことに「やりがい」を感じるのでしょうか。

簡単に言えば、「人の役に立てる上に喜ばれる」、ということにやりがいを感じるということです。

危篤状態で運ばれてきた患者を、看護に尽力して患者や家族を励まし続けて行く内に、次第に回復していく様子を日々経験をすることも喜びですが、晴れて退院の日を迎えて、本人や家族から丁寧なお礼を述べられて病院を後にするときには無上の喜びとともに深いやりがいを感じることが多いと言います。
また、「看護の力」を実感し、少しでも快方に向かわせてあげたいという気持ちは、更に看護の道に励んでいこうと、自らの心を新たにするそうです。

看護師として働くことは、金銭や物の価値では量ることができない大切なものを実感できるいい機会なのかもしれません。